Harpsichordist TOMOKO MATSUOKA
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読売新聞京葉版2007年9月25日

チェンバロ世界3位 鎌ヶ谷出身 松岡さん

ベルギーの国際コンクール

松岡友子(チェンバロ奏者)Tomoko Matsuoka (harpsichordist)
「入賞をステップに活動を広げたい」と意欲を見せる松岡さん▲
  鎌ヶ谷市出身でイタリア・ミラノ在住のチェンバロ奏者・松岡友子さんが、古楽の世界で最も権威があるコンクールの一つ 「第44回ブルージュ国際古楽コンクール」(ベルギー)のチェンバロ部門で3位に輝いた。日本人としては7大会(21年)ぶりの快挙。 一時帰国した松岡さんは「今後の活動のステップにしたい」とさらなる意欲を見せている。

 松岡さんは県立松戸国際高校3年生の夏、山梨県で行われた「都留音楽祭」で、日本を代表するチェンバロ奏者・曽根麻矢子さんの レッスンを受ける機会に恵まれた。3歳から習っていたピアノとは全く異なる繊細な音色で「衝撃的な出会い」だった。「頭の中にあった音楽が、 この楽器なら自然に出せる。一目ぼれでした」

 間もなく欧州留学を心に決めた。学校の授業が終わると、チェンバロを持つ松戸市内の知人の家を毎日のように自転車で訪ね、 練習に励んだ。卒業後も、校長に頼み込んで語学の授業を在校生と一緒に受けるなどして秋の留学に備えた。

 努力のかいもあってイタリア・ミラノでは、みるみる頭角を現した。2005年に現地の音楽学校を、その年の最優秀学生に 与えられる賞を受けて卒業し、現在はイタリアの「G・ヴェルディ」コモ国立音楽院チェンバロ科に在籍。今年5月には、イタリア・ ペーザロの第10回「ジャンニ・ガンビ」チェンバロコンクールのソロ部門で2位(1位は該当者なし)に入賞した。

 3年ごとに開かれるブルージュ国際古楽コンクールのチェンバロ部門は今年、7月25日〜8月1日に開催され、日本人12人を 含む71人が参加。5人による決勝では最終演奏者として、バッハの「フーガの技法」など3曲を奏でた。課題曲は20曲にも及ぶ。 1年近く前から練習を重ね、「自分ではこれ以上はできない演奏ができた。ただ、うれしかった」と振り返る。

出会って9年「最高の演奏」

 チェンバロを始めて9年。毎日の練習は8時間に及ぶこともあった。「決して平坦(へいたん)な道のりではなかったけど、好きで、 やりたいという気持ちで夢中だった」という。

 今後は、ソロはもちろん、アンサンブルや古楽オーケストラなどへも積極的に参加し、演奏活動の幅を広げていくつもりだ。